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【エンゼルケア】介護施設の手順とマニュアル!エンゼルケアセットは何が必要?

armennano / Pixabay

【エンゼルケア】介護施設でのエンゼルケア(死後の処置)の手順とマニュアル

エンゼルケアのマニュアルと手順(エンゼルケアセット・詰め物)

エンゼルケアの目的  

ご遺体を死によって起こる変化を、目立たないようにし、清潔に美しく保ちその人らしい姿に整え、他界への旅立ちの準備をする。

体液や排泄物の流出を防ぐ。ご家族や親しい方への感染を予防する。

※死後のケアは、医師によって死亡が確認された後、死後硬直が始まる前(23時間)までに終える。

ご家族や親しい方が希望される場合は、最後の機会でもあり、一緒にさせて頂き、宗教・信仰やれた方の生前の希望などを確認し、死後のケアが風習や儀式に影響しないように配慮する。

エンゼルケアセット エンゼルケアで用意するもの

・ディスポガウン、マスク、手袋、ドライシャンプー(頭髪が気になる場合)

・防水シーツ

・清拭用具(できればご本人用のタオル・バケツ・微温湯)

・エンゼルケアセット

(くし・T字かみそり・口腔ケア用スポンジ・膿盆・ガーゼ・脱脂綿顔覆い・顎バンド・合掌バンド・割り箸)

・浴衣(有料の為着用してよいか事前確認しておく)

 ※本人または家族希望のものをあらかじめ準備して頂く。 

エンゼルケアを始める前に

医師により死亡確認が行われた後、ご遺体と親しい方でお別れの時間を過ごして頂く。

ご家族に対してこれからエンゼルケアを行うことを告げる。

ご遺体の着衣や宗教上の配慮などを家族に確認し、着衣や身に着けるものをお預かりする。(浴衣を希望の場合は有料になることを事前に説明)

家族や親しい方に死後のケアを一緒にされるか、自分は行わなくても立ち会うか、部屋の外で待って頂くか確認する。死後のケアに参加することには一人一人、様々な考えや思いがあるので、決して無理強いはしないようにする。

エンゼルケアの手順

① 感染予防用のマスク・ディスポガウン・手袋を着用し、これから最後のケアをさせていただく気持ちを合掌で伝えます。ご家族の希望で死後のケアを一緒にさせていただく場合も感染予防の視点からマスク着用していただくことが望ましい。

② 医療器具を取り外す。傷や点滴の痕をガーゼ・絆創膏でカバーする。

③ 体内の内容物をだす。亡くなられた後、筋肉が弛緩して体内の内容物が出やすくなる。体は右側を下にして口を開いてから、膿盆を頬にあて心か部を押して胃の内容物を出す。紙おむつをあて、体を仰向けにする。恥骨を押すことで膀胱が圧迫され、膀胱内に残った尿を排出する。腹部を「の」の時を描くように圧迫して、腸残っている便を排出する体は、左側を下にし、腹部を押さえながら直腸内の便を排出する。

④ ご遺体を美しく整え、分泌物を防ぐ。清拭タオルで顔を拭き、眼脂を取り除いたのち、目を閉じる。口腔から異臭を防ぐ為に、ガーゼや歯ブラシ・口腔スポンジなどを使用し口腔清拭をする。舌の上も丁寧に拭き、最後に口腔に残った水分をしっかり拭き取る。唇の乾燥が気になるときは、ワセリンを塗る。顎は死後硬直が最初に現れるので、口腔ケア後早めに義歯をはめる。頭髪の汚れが気になる場合、ドライシャンプーをして整髪する。 清拭は両手⇒胸腹部⇒足⇒背部⇒陰部の順序で行う。

⑤ 体内の分泌物が体外にでないように栓をするために詰め物をする。ただし、葬儀社により詰め物は肛門だけの場合もある。通常は鼻⇒耳⇒膣⇒肛門の順に割り箸を使用して、綿を詰めていく。使用する場合は、皮膚や粘膜を傷つけやすいので特に注意して行う。脱脂綿は水分を吸収し、青梅綿は油をはじく性質があるため、詰める時は脱脂綿⇒青梅綿の順で詰める。

⑥ 鼻は鼻先を少し持ち上げ、綿が鼻腔の奥から喉に向かうように詰めていく。綿を詰めていて鼻の付け根が膨らんで見えたり、鼻の穴から綿が見えるようであれば、詰めすぎの状態な為注意しながら行う。

⑦ 耳は浸出液、出血の可能性がある場合は、脱脂綿を軽く詰める。

⑧ 口は舌を巻き込まないように指で押さえながら、綿を詰める。綿に量や気道の太さにもよるが、おおよそ20cm程つめていくと、喉の奥の方まで詰めることができる。舌の付け根から綿が見えるようであれば詰めすぎといえる。

⑨ 肛門は体の左側を下にして綿を詰めていく。綿の量や直腸の大きさによるが、綿を20cm程詰めると肛門から直腸を塞いでいる状態になる。

⑩ 女性の場合は、体を仰向けにして膣に綿を詰める。7cmほど綿を詰めると膣を塞いだことになる。ここでしっかり詰めておくと尿道を圧迫するので、尿道に詰める必要がなくなる。

⑪ 紙おむつをあてる。ご家族によっては普通を下着の着用を希望される場合が考えられる綿を詰めているので排泄される心配はないと思うが、念のためにパットをあてておくと安心である。

⑫ 髭剃り、手足の爪きりを行う。T字かみそりのほうが皮膚の状態を綺麗に保てる。

⑬ 衣服を着せる。和式(浴衣)の場合は、襟を左前にして合わせ、女性はへその高さ男性は腸骨の高さで縦結びにする。

⑭ 死化粧は生前の姿に近づける。

⑮ 体を自然な形に整え、両手をお腹の上に重ね合掌バンドをはめる。口が開いてしまう場合には、早めに枕を高くして丸めたタオルを顎の下にいれておく。(口が開かなくなったらタオルをはずす) 

最後にお別れをしていただく

   顔かけを顔にかぶせる。ストレッチャーにシーツを敷いておく。

   霊安室へ安置する。施設職員が最後のお別れをする。

 

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