栄養ケアの様式に「プロセス」の項目があり、スクリーニング・アセスメント・モニタリングから選択するようになっています。ここでどれを選べばいいのか?この三つの違いって何なの?と疑問を持っている管理栄養士さんが多いようなので、栄養ケアマネジメントの歴史とともにその疑問に答えていきます。
まず栄養ケアマネジメントの歴史から
平成17年10月から栄養ケマネジメントは始まりました。その後3年ごとの介護報酬改定で制度の見直しが行われてきました。
栄養ケアマネジメントは画像のようなサイクルで行います。
平成17年の様式例
1枚目がスクリーニング、2枚目がアセスメント(低・中・高リスク全入所者)、3・4枚目もアセスメント(中・高リスク)、5枚目がモニタリングです。
栄養ケアが始まった当初は様式は複数枚ありそれぞれ独立していました。中リスク・高リスクは項目が多い上に細かくとても大変でした^^
平成24年の様式例
平成24年の改定で栄養ケアの様式が新しくなりました。業務負担が大きいとの理由から、クリーニング・アセスメント・モニタリングがまとめられて、簡素化された様式に変更されました。
この様式で「プロセス」はチェック式で3つとも選ぶことができました。
令和3年の最新様式例
2021年の介護報酬改定で現在の様式になりました。見た目は大きく変わったように見えますが内容はあまり変わっていません。
平成24年様式からの変更点は
・プロセスの選択が一つだけになった。
・記入式の部分がチェック式になった。
・経口維持加算の部分が追加された。
この様式になってプロセスに項目が変わり3つの中から一つしか選べなくなりました
スクリーニング・アセスメント・モニタリングの違い
栄養ケアマネジメントの歴史で触れたようにこの3つは本来独立した様式でした。それぞれの言葉と意味の違いを説明します。
スクリーニングとは
低栄養のリスクを簡易的に判別するもので、これを行うことで利用者の栄養リスクを「低リスク・中リスク・高リスク」に振り分けます。
振り分けることにより、モニタリングの期間が異なります。
使用する時:低栄養のリスクを判別する時(入所時・3か月に1回)
新様式では赤枠の部分になります。
モニタリングとは
経過観察のことで栄養評価をするときに使います。
使用する時:リスク別で決められた期間
低リスク:少なくとも3か月に1回
中リスク:1か月に1回
高リスク:2週間に1回
新様式では青枠の部分になります。
アセスメントとは
栄養ケア計画書を作成する前に利用者の食事に関する情報を集め、このアセスメントを元に、多職種共同で栄養ケア計画書を作成していきます。
使用する時:栄養ケア計画書を作成するとき。(3か月に1回・計画変更時)
新様式では青枠の部分になります。
プロセスはこの3つの中からどれを選べばいいの?
3か月に1回は必ず「クリーニング・アセスメント・モニタリング」やらなければなりません。
でも正直言ってどの項目でもやることは同じです^^スクリーニングは赤枠の部分だけですがスクリーニングだけやるってことはあります??
プロセスで選んだ呼び名がどうであれ、様式のすべての項目を埋めれば「クリーニング・アセスメント・モニタリング」の同時にやったことになります。
クリーニング・アセスメント・モニタリングの意味を理解して、自分の施設ではこうします!!と決めてしまえばいいのです!
私の施設では次のように決めています。
クリーニング:新規入所時
アセスメント:栄養ケア計画書作成前
モニタリング:中高リスクのモニタリング
ただし実地指導や監査の時に説明を求められた時は理由を答えられるようにしてくださいね。