【栄養マネジメント強化加算】算定要件や人員配置は?計画書はどうやって書いたらいいの?

介護報酬改定2021で新たに「栄養マネジメント強化加算」が新設されました。

それに伴い、「栄養マネジメント加算」と「低栄養リスク改善加算」が廃止されます

【栄養マネジメント加算】栄養ケア計画書作成の手順をまとめてみました!!特養や老健での様式は厚生労働省【栄養マネジメント強化加算】

※厚生労働省と日本栄養士会からでたQ&Aはこちらにまとめています!

【栄養マネジメント強化加算】厚生労働省などのQ&Aをまとめました!【介護報酬改定2021】

栄養マネジメント強化加算 厚生労働省の資料の確認

介護報酬改定 2021 栄養関係の様式例はこちらから!!

栄養マネジメント強化加算   11単位

○ 管理栄養士を常勤換算方式で入所者の数を50(施設に常勤栄養士を1人以上配置し、給食管理を行っている場合 は70)で除して得た数以上配置すること

○ 低栄養状態のリスクが高い入所者に対し、医師、管理栄養士、看護師等が共同して作成した、栄養ケア計画に従 い、食事の観察(ミールラウンド)を週3回以上行い、入所者ごとの栄養状態、嗜好等を踏まえた食事の調整等を 実施すること

○ 低栄養状態のリスクが低い入所者にも、食事の際に変化を把握し、問題がある場合は、早期に対応すること

○ 入所者ごとの栄養状態等の情報を厚生労働省に提出し、継続的な栄養管理の実施に当たって、当該情報その他継 続的な栄養管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること。

3月8日に追加分

〇全入所者対象で入所者全員に対して算定できる。

〇常勤管理栄養士の設置基準
調理業務委託先の栄養士及び管理栄養士の数は含むことはできない。

・常勤の栄養士が調理業務のみを行っている場合(調理員として雇用)は該当しない。

・入所者数は入所定員ではなく、前年度の平均入所者数である。

〇低栄養状態のリスクが、中リスク及び高リスクに該当する者に対し管理栄養士等が以下の対応を行うこと。
・週3回以上の食事観察が必要で基本管理栄養士が行う。

・経口摂取(経管栄養)をしていない「中リスク者」はミールラウンド必要ない。

〇LIFE(科学的介護情報システム)により厚生労働省への情報の提出をする

介護報酬改定000750739 栄養マネジメント強化加算は 46p~

3月17日追加分   令和3年度の様式例が示された

〇栄養ケア・マネジメントは今まで通り行う。

・栄養ケア・マネジメントを実施した上で、更に入所者全員への丁寧な栄養ケアを実施している場合に算定できる。

〇食事観察 1回の食事の観察で全てを確認する必要はなく、週3回以上(異なる日に実施)の食事の観察を行う中で確認できれば差し支えない。それぞれのリスクにより観察点が違う。

〇中、高リスク者が退所する際に情報の提供を行う。

栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について vol.936 栄養ケア・マネジメントは37P~

介護報酬改定 2021で必要な栄養関係書類・様式はこちらを参考にしてください。

栄養マネジメント強化加算の流れ

中高リスク者のみではなく入所者全員に対して行う。

今まで通りの栄養ケア・マネジメントを行い、中高リスク者に対してさらに追加した支援を行う。

管理栄養士の人員配置基準

管理栄養士を常勤換算方式で入所者の数を50(施設に常勤栄養士を1人以上配置し、給食管理を行っている場合は70)で除して得た数以上配置すること

〇常勤換算方式での管理栄養士の員数の算出方法は、以下のとおりとする。

なお、当該算出にあたり、調理業務の委託先において配置される栄養士及び管理栄養士の数は含むことはできないこと。

また、給食管理を行う常勤の栄養士が1名以上配置されている場合は、管理栄養士が、給食管理を行う時間を栄養ケア・マネジメントに充てられることを踏まえ、当該常勤の栄養士1名に加えて、管理栄養士を常勤換算方式で、入所者の数を70 で除して得た数以上配置していることを要件とするが、この場合における「給食管理」とは、給食の運営を管理として行う、調理管理、材料管理、施設等管理、業務管理、衛生管理及び労働衛生管理を指すものであり、調理業務のみを行っている場合は、該当しないこと。

なお、この場合においても、特別な配慮を必要とする場合など、管理栄養士が給食管理を行うことを妨げるものではない

●注意点

調理業務委託先の栄養士及び管理栄養士の数は含むことはできない。

・常勤の栄養士の「給食管理」は調理業務のみを行っている場合(調理員として雇用)は該当しない。

・入所者数は入所定員ではなく、前年度の平均入所者数である。

・小数点第二以下の扱いは管理栄養士の常勤換算 切り捨て」「平均入所者数 切り上げで行う。

●常勤管理栄養士の設置人数(例)

入所定員:100名とした場合、100÷50=2名

入所定員 70人 100人 120人 150人
常勤管理栄養士

入所者数(50)

1.4人 2人 2.4人 3人
常勤栄養士を配置した場合

入所者数(70)

1人 1.43人 1.71人 2.14人

常勤栄養士を1人以上配置し、給食管理を行っている場合とは、常勤栄養士が給食管理を行う事により、管理栄養士が栄養管理に集中できるため、割る人数を「50から70」にできます。

入所定員:100名とした場合

常勤管理栄養士だけだと「2名」、栄養士がいる場合は管理栄養士「1.4名」になります。

「0.4名」を非常勤管理栄養士としても、3人の栄養士を雇わなけらばなりません。

管理栄養士が中高リスク者に対して行うこと

低栄養状態のリスクが、中リスク及び高リスクに該当する者に対し、管理栄養士等が以下の対応を行うこと。

イ 基本サービスとして、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その他の職種の者が共同して作成する栄養ケア計画に、低栄養状態の改善等を行うための栄養管理方法や食事の観察の際に特に確認すべき点等を示すこと。

ロ 当該栄養ケア計画に基づき、食事の観察を週3回以上行い、当該入所者の栄養状態、食事摂取量、摂食・嚥下の状況、食欲・食事の満足感、嗜好を踏まえた食事の調整や、姿勢、食具、食事の介助方法等の食事環境の整備等を実施すること。食事の観察については、管理栄養士が行うことを基本とし、必要に応じ、関連する職種と連携して行うこと。病欠等のやむを得ない事情により、管理栄養士が実施できない場合は、介護職員等の他の職種の者が実施することも差し支えないが、観察した結果については、管理栄養士に報告すること。なお、経口維持加算を算定している場合は、当該加算算定に係る食事の観察を兼ねても差し支えない。

ハ 食事の観察の際に、問題点が見られた場合は、速やかに関連する職種と情報共有を行い、必要に応じて栄養ケア計画を見直し、見直し後の計画に基づき対応すること。

ニ 当該入所者が退所し、居宅での生活に移行する場合は、入所者又はその家族に対し、管理栄養士が退所後の食事に関する相談支援を行うこと。また、他の介護保険施設や医療機関に入所(入院)する場合は、入所中の栄養管理に関する情報(必要栄養量、食事摂取量、嚥下調整食の必要性(嚥下食コード)、食事上の留意事項等)を入所先(入院先)に提供すること。

⑤ 低栄養状態のリスクが低リスクに該当する者については、④ロに掲げる食事の観察の際に、あわせて食事の状況を把握し、問題点がみられた場合は、速やかに関連する職種と情報共有し、必要に応じて栄養ケア計画を見直し、見直し後の計画に基づき対応すること。

栄養マネジメント強化加算を算定するには、低栄養リスクが中高リスク者に対し、週3回以上のミールラウンドと退所時に対象先への情報提供が必要になります。

ミールラウンド(食事の観察)

低栄養状態のリスクが高い入所者に対し、医師、管理栄養士、看護師等が共同して作成した、栄養ケア計画に従い、食事の観察(ミールラウンド)を週3回以上行い、入所者ごとの栄養状態、嗜好等を踏まえた食事の調整等を 実施すること

○ 低栄養状態のリスクが低い入所者にも、食事の際に変化を把握し、問題がある場合は、早期に対応すること

低栄養状態のリスクが、中リスク及び高リスクに該当する者に対し管理栄養士等が以下の対応を行うこと。

週3回以上の食事観察が必要で基本管理栄養士が行う。

週3回以上(異なる日に実施)同日に朝・昼・夕と3食ミールラウンドしても1回のカウントになる。

・経口摂取(経管栄養)をしていない「中リスク者」はミールラウンドの必要ない。

※BMI・アルブミン値・体重減少率・褥瘡に当てはまる場合はミールラウンドが必要です。

・1回の食事の観察で全てを確認する必要はなく、週3回以上の食事の観察を行う中で確認できれば差し支えない。

高リスクには、食事摂取量、食欲・食事の満足度、食事に対する意識、多職種による栄養ケアの課題(低栄養関連問題)のうち口腔関係の項目、栄養ケア計画に記載した食事の観察の際に特に確認すべき点等を総合的に観察する。

中リスクには、栄養ケア計画に記載した食事の観察の際に特に確認すべき視点を中心に観察する。

低リスクには、中・高リスク者に対する食事の観察の際に、あわせて食事の状況を適宜把握すること。

ミールラウンドの記録はどうしてる?記録する様式や書式があるの?【栄養マネジメント強化加算】

退所時の情報提供

・居宅での生活に移行する場合は、入所者又はその家族に対し、管理栄養士が退所後の食事に関する相談支援を行うこと。

・他施設に入所、入院する場合は、入所中の栄養管理に関する情報(必要栄養量、食事摂取量、嚥下調整食の必要性(嚥下食コード)、食事上の留意事項等)を入所(院)先に提供すること。

LIFE(科学的介護情報システム)へのデータ提出とフィードバック

○ 入所者ごとの栄養状態等の情報を厚生労働省に提出し、継続的な栄養管理の実施に当たって、当該情報その他継続的な栄養管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること。

〇大臣基準第65 号の3ニに規定する厚生労働省への情報の提出については、「科学的介護情報システム(Long-term care Information systemFor Evidence)」(以下「LIFE」という。)を用いて行うこととする。LIFEへの提出情報、提出頻度等については、「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和3年●月●日老老発●第●号厚生労働省老健局老人保健課長通知)を参照されたい。サービスの質の向上を図るため、LIFEへの提出情報及びフィードバック情報を活用し、利用者の状態に応じた栄養ケア計画の作成(Plan)、当該計画に基づく支援の提供(Do)、当該支援内容の評価(Check)、その評価結果を踏まえた当該計画の見直し・改善(Action)の一連のサイクル(PDCAサイクル)により、サービスの質の管理を行うこと。提出された情報については、国民の健康の保持増進及びその有する能力の維持向上に資するため、適宜活用されるものである。

科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について 栄養マネジメント強化加算はP12~

栄養マネジメント強化加算

⑴ LIFEへの情報提出頻度について 個別機能訓練加算(Ⅱ)と同様であるため、2⑴を参照されたい。

個別機能訓練加算2⑴ 参照

「LIFEへの情報提出頻度について 利用者ごとに、アからウまでに定める月の翌月 10 日までに提出するこ と。

ア 新規に個別機能訓練計画(栄養マネジメント強化加算)の作成を行った日の属する月

イ 個別機能訓練計画(栄養マネジメント強化加算)の変更を行った日の属する月

ウ ア又はイのほか、少なくとも3月に1回」

なお、 情報を提出すべき月について情報の提出を行えない事実が生じた場合、 直ちに訪問通所サービス通知第1の5の届出を提出しなければならず、 事実が生じた月のサービス提供分から情報の提出が行われた月の前月までの間について、利用者全員について本加算を算定できないこと(例えば、4月の情報を5月 10 日までに提出を行えない場合は、直ちに届出の提出 が必要であり、4月サービス提供分から算定ができないこととなる。)。

⑵ LIFEへの提出情報について

施設における入所者全員について、「リハビリテーション・個別機能 訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事 務処理手順及び様式例の提示について」別紙様式4-1(栄養・摂食嚥 下スクリーニング・アセスメント・モニタリング(施設)(様式例))に ある「実施日」、「低栄養状態のリスクレベル」、「低栄養状態のリスク (状況)」、「食生活状況等」、「多職種による栄養ケアの課題(低栄養関 連問題)」、「総合評価」及び「計画変更」の各項目に係る情報を、やむ を得ない場合を除き、すべて提出すること。

経口維持加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定している入所者については、アの 情報に加え、同様式にある「摂食・嚥下の課題」、「食事の観察」及び「多 職種会議」の各項目に係る情報も提出すること。

ウ 提出情報の時点は、個別機能訓練加算(Ⅱ)と同様であるため、2⑵イ を参照されたい。

⑶ 令和3年度における取扱いは褥瘡マネジメント加算と同様であるので、 6⑶を参照されたい。

褥瘡マネジメント加算6⑶ 参照

「猶予期間の設定について 令和3年度においては、LIFEに対応した介護記録システム等を導入 するために時間を要する等の事情のある事業所・施設については、⑴の規 定にかかわらず、一定の経過措置期間を設けることとする。具体的には、 令和4年4月 10 日までに提出することを可能とする猶予期間を設けるこ ととし、当該猶予期間の適用を必要とする理由及び提出予定時期等を盛 り込んだ計画を策定することで、猶予措置の適用を受け、本加算を算定で きるものとする。なお、猶予期間終了後、情報提出を行うに当たっては、 ⑴に規定する時点における情報の提出が必要であること。また、猶予期間 の終了時期を待たず、可能な限り早期に⑴の規定に従い提出することが 望ましいこと。 なお、提出すべき情報を猶予期間終了日までに提出していない場合は、 算定した当該加算については、遡り過誤請求を行うこと。」

まとめ

栄養マネジメント強化加算を算定するには次のことに対応しなければなりません。

・算定単位数は1名1日/110単位

・管理栄養士の配置基準を満たす。

・全入所者の栄養ケアマネジメントを行う。

・LIFEへの情報提出を行う。

・低栄養リスクの中高リスク者に対して以下の対応をする。

  1. 週3回以上のミールラウンド。
  2. 速やかな栄養ケア計画書の見直し。
  3. 退所時に退所先への情報提供。

現状入所定員100名の場合、管理栄養士は1名~2名で、1名体制の施設が多いと思います。

栄養マネジメント強化加算を算定するために

管理栄養士の増員

業務量の増加

・一月の増収は11点(1点10円で計算)×100名×30日=33万円

あなたの施設はどうしますか?

最後に栄養士会が厚生労働省の担当者がわかりやすく解説してくれた動画です。

【介護報酬2021 栄養関連まとめ】管理栄養士がかかわることをまとめました!【栄養マネジメント強化加算・厚生労働省】

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