【管理栄養士国家試験勉強】「人体の構造と機能 神経系」わかりやすくまとめてみました!!【過去問題】

人体の構造と機能 神経系

人体の構造と機能 神経系 中枢神経系 末梢神経系

管理栄養士の国家試験の基礎知識を科目別にまとめてみました!

最後に管理栄養士国家試験の過去問題も復習をかねて解いて見てくださいね。

「人体の構造と疾病の成り立ち」 こちらもチェックしてください。

消化器系 循環器系 細胞と組織 泌尿器系 内分泌系 神経系

感覚器系 呼吸器系 血液 骨格系 筋系 生殖器系 免疫と生体防御

ニューロン(神経細胞)

・神経組織は、最小単位のニューロンと、これを支える神経膠細胞(グリア細胞)から構成される。

・ニューロンは樹状突起、細胞体、軸索からなり、神経情報を電気信号として全身に伝える働きがある。

・樹状突起は、前の細胞から興奮を受け取り、突起から細胞体へ伝える。

・細胞体は、栄養の代謝が行われる。

・軸索は、興奮を細胞体から末端に伝える。軸索は末端で分岐して、軸索終末で終わる。電気信号が軸索終末にでくると、神経伝達物質が放出されて、次のニューロンに興奮が伝達される。

シナプスでの興奮伝達のしくみ(動画)

さまざまなニューロンの役割

興奮の伝達・伝導

・神経細胞間の興奮の伝達はシナプスで行われる。細胞が興奮するとシナプス小胞内の神経伝達物質が放出され次の細胞のシナプス後膜に働く。これによって次の細胞に興奮が伝わる。

・興奮の伝達は、興奮が軸索終末に達すると、神経伝達物質が放出され、隣接するニューロンの樹状突起へと興奮が伝達される。神経伝達物質には、アセチルコリン、ノンアドレナリン、L-グルタミン酸、γ-アミノ酸(GABA)、ドーパミン、セロトニンなどがある。

・興奮の伝導は、樹状突起→細胞体→軸索→軸索終末の順で電気信号として伝導する。髄鞘をもつ有髄線維は、髄鞘をもたない無髄線維より伝達速度が速い。

興奮伝導のしくみ(動画)

有髄と無髄神経の伝導速度(動画)

神経系の分類

〇全身の神経

・末梢神経の頚神経叢、腕神経叢(橈骨神経、正中神経、尺骨神経)、肋間神経、腰神経叢(大腿神経、閉鎖神経)および仙骨神経叢(坐骨神経、総腓骨神経、脛骨神経)が示されている

・神経系には中枢神経と末梢神経がある。大脳、延髄、小脳および脊髄などは中枢神経腕神経叢、腰神経叢および大腿神経は末梢神経に分布される。

 

中枢神経系

・中枢神経系は、脳と脊髄からなる。脳は脳幹(間脳、中脳、橋、延髄)、大脳、小脳からなる。脊髄は頚髄、胸髄、腰髄、仙髄からなる。

脳の構造(動画)

〇脳幹 間脳、中脳、橋、延髄の4つの器官からなる。

・間脳は、視床、視床下部、視床上部がある。視床は、感覚系の情報を延髄や脳幹から大脳に伝える。視床下部は、体温や食欲など生命維持に重要な自律神経の調節に関わる。視床上部は、松果体や脈絡叢等を含んでいる。

・中脳は、視覚や聴覚による販社に関わる。

・橋は、延髄とともに、呼吸の調節に関わる。

・延髄は、呼吸中枢、心臓血管中枢、血圧の調節、嘔吐中枢など、生命維持に重要な自律神経系の調節に関わる。

〇大脳

・大脳は、左脳と右脳に分かれている。左右の大脳半球は、前頭葉(運動)、頭頂葉(知覚、運動)、後頭葉(視覚)、側頭葉(聴覚)に分けられる。

・小脳は、平衡感覚(姿勢と運動)と深部知覚の中枢が存在する。

〇脊髄

・脊髄は頚髄、胸髄、腰髄、仙髄からなる。脊髄の断面は、中心にH字型をした灰白質(神経細胞が集まっている部分)があり、その周囲に白質(神経線維が集まっている部分)がある。前方からは運動性の前根、後方からは知覚性の後根がのびている。

・汗腺などの交感神経は、脊髄の前根を通り、脊髄神経に混ざって走行する。途中枝分かれして交感神経節で次のニューロンにバトンタッチし、再び脊髄神経に合流して汗腺などの効果器まで行く。交感神経節は上下が連絡しあい数珠状を呈す交感神経幹を構成している。

末梢神経系

・末梢神経系は、脳から出ている脳神経脊髄から出ている脊髄神経からなる。

〇脳神経

脳神経の12対あり,頭蓋骨にある孔を通して脳に直接出入りする末梢神経である。第1~12脳神経を番号で呼ぶ。

神経 成分 機能 核の存在部
第1脳神経 嗅神経 感覚神経(知覚) ①嗅覚 大脳
《特殊感覚性》
第2脳神経 視神経 感覚神経(知覚) ①視覚 大脳
《特殊感覚性》
第3脳神経 動眼神経 運動神経 ①上斜筋・外側直筋以外の外眼筋の運動 中脳
(上丘)
《体性・内臓運動性》 ②毛様体筋・瞳孔収縮筋への副交感神経支配
第4脳神経 滑車神経 運動神経 ①上斜筋の運動 中脳(下丘)
《体性運動性》
第5脳神経 三叉神経 混合神経 ①咀嚼筋の運動
(被蓋)
《鰓運動性・一般知覚性》 ②頭頚部・副鼻腔・髄膜・鼓膜外面の知覚
第6脳神経 外転神経 運動神経 ①外側直筋の運動
(被蓋)
《体性運動性》
第7脳神経 顔面神経 混合神経 ①顔面表情筋・アブミ骨筋の運動
《鰓・内臓運動性》 ②耳下腺・皮脂腺以外の頭部の分泌腺に対する副交感神経支配
《一般・特殊感覚性》 ③外耳周囲の小範囲,鼓膜外面の一般知覚
  ④舌前23の味覚
第8脳神経 内耳神経 感覚神経(知覚) ①平衡感覚
《特殊感覚性》 ②聴覚
第9脳神経 舌咽神経 混合神経 ①茎突咽頭筋の運動 延髄
《鰓・内臓運動性》 ②耳下腺への副交感神経支配
《内臓・一般・特殊感覚性》 ③頸動脈小体からの内臓性知覚
  ④舌後13,鼓膜内面の一般知覚
  ⑤舌後13の味覚
第10脳神経 迷走神経 混合神経 ①咽頭・喉頭の運動 延髄
《鰓・内臓運動性》 ②脾曲より尾側全ての胸腔・腹腔内臓器への副交感神経支配
《内臓・一般感覚性》 ③咽頭・喉頭・内臓からの内臓性感覚
  ④外耳周辺の小範囲の一般知覚
第11脳神経 副神経 運動神経 ①胸鎖乳突筋・僧帽筋の運動 延髄
《鰓運動性》
第12脳神経 舌下神経 運動神経 ①口蓋舌筋を除く舌の運動 延髄
《体性運動性》

〇脊髄神経

脊髄神経は31対である。

頚椎 7 頸髄 8
胸椎 12 胸髄 12
腰椎 5 腰髄 5
仙椎 5 仙髄 5
尾椎 1 尾髄 1

〇末梢神経の分類

・末梢神経は、その機能から、感覚系と運動系に分類される。

・感覚系は、末梢の感覚受容器から中枢神経に情報を伝える求心性の神経線維からなる。

・運動系は、体性神経系自律神経系に区分される。自律神経には交感神経と副交感神経がある。交感神経は胸髄と腰髄の一部から分枝し、副交感神経は脳神経を経由するものと仙髄から分枝するものがある。これらの神経は内臓の平滑筋や腺に作用し、多くは互いに相反する作用をする。

・自律神経は節前神経と節後神経の2つのニューロンで構成される。節前と節後神経の間ではアセチルコリン、交感神経終末ではノルアドレナリン副交感神経終末ではアセチルコリンが神経伝達物質として働く。

・交感神経系と副交感神経系の作用

交感神経系 副交感神経系
瞳孔 拡大 縮小
唾液腺 抑制 促進
心臓 促進 抑制
血圧 上昇 低下
気管支 拡張 収縮
消化機能 抑制 促進

引用:IPA「教育用画像素材集サイト」

★過去問題!!

29-42 神経系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)脳神経は、31対である。
(2)神経細胞間の接合部は、ニューロンと呼ばれる。
(3)摂食中枢は、視床下部にある。
(4)副交感神経が興奮すると、唾液分泌は減少する。
(5)神経活動電位の伝導速度は、無髄線維が有髄線維より速い。

解答

(3)摂食中枢は、視床下部にある。

30-36 神経系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)交感神経は脊髄から起始する。
(2)交感神経が興奮すると、小腸の運動は促進される。
(3)迷走神経が興奮すると、胃酸の分泌は抑制される。
(4)顔面神経は咀嚼筋を支配する。
(5)舌咽神経は、舌の前方2/3の味覚を伝達する。

解答

(1)交感神経は脊髄から起始する。

32-34 神経系に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)神経管の閉鎖には、葉酸が必要である。
(2)脳神経は、中枢神経系に属する。
(3)中脳は、橋と脊髄の間にある。
(4)体温調節中枢は、延髄にある。
(5)摂食中枢は、視床にある。

解答

(1)神経管の閉鎖には、葉酸が必要である。

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