今年2018年のお月見(十五夜)はいつ?その日は満月になるのでしょうか?
日本の秋の代表的な風物詩、十五夜のお月見。
十五夜は「中秋の名月」とも呼ばれ、「秋の真ん中に出る月」という意味があります。
では「秋の真ん中」とはいつでしょうか?
お月見の意味や由来についてもご紹介します。
○お月見とは?十五夜や十三夜とは?
お月見は旧暦の8月15日に月を鑑賞する行事で、この日の月は「中秋の名月」、「十五夜」、「芋名月」と呼ばれます。
現在の新暦は旧暦と1~2か月のずれがあるため、「9月7日から10月8日の間で、満月が出る日」を十五夜としています。
お月見の日には、おだんごやお餅、ススキ、里芋などをお供えして月を眺めます。
また、日本では8月15日だけでなく9月13日にも月見をする風習があり、こちらは「十三夜」、「後の月」、「栗名月」とも呼ばれています。
十三夜には、月見団子の他に栗や枝豆をお供えします。
各地には「十五夜をしたなら、必ず十三夜もしなければいけない」という言葉が伝えられており、どちらか一方のお月見だけをするのは「片見月」と呼ばれ、“災いが来る”といって、片方だけの月見を嫌う風習があったようです。
○お月見の歴史や由来
日本では太古の昔から月を神聖視していたようです。
十五夜ではありませんが、縄文時代には「月を愛でる」風習があったといわれます。
お月見のルーツはよくわかっていませんが、有力な説は、中国各地で月見の日にサトイモを食べることから、もともとはサトイモの収穫祭であったという説です。
その後、中国で宮廷行事としても行われるようになり、それが日本には入ったのは奈良~平安時代頃で、貴族の間に広まりました。
月を見ながら酒を酌み交わし、船の上で詩歌や管弦に親しむ風流な催しだったそうです。
貴族たちは空を見上げて月を眺めるのではなく、水面や盃の酒に映った月を楽しみました。
庶民も広く十五夜を楽しむようになったのは、江戸時代に入ってからだといわれます。
貴族のようにただ月を眺めるのではなく、収穫祭や初穂祭の意味合いが大きかったようです。
十五夜のころは稲が育ち、間もなく収穫が始まる時期で、無事に収穫できる喜びを分かち合い、感謝する日でもありました。
このように、お月見の由来には「最も美しく見える季節に月を鑑賞する」という意味の他にも、「神様への豊作祈願や収穫の感謝を表す」という意味合いもあります。
○2018年のお月見の日は?なぜ毎年ちがうの?中秋の名月は必ず満月なの?
お月見の日付(旧8月15日)は年によって一定していません。
お月見は旧暦で行なう行事です。
旧暦は月の満ち欠けで日付を決めるものでした。
旧暦の日付と月の形とを比べてみると、必ずしも15日が満月になるとは限りません。
だいたい13日から17日位までの幅を持っています。
ここ数年の中秋の名月の日(旧暦8月15日)と後の月(旧暦9月13日)と満月の日をあげてみると
西暦 | 中秋の名月 十五夜 | 満月 |
旧暦の8月15日 | ||
2017年 | 10月4日 | 10月6日 |
2018年 | 9月24日 | 9月25日 |
2019年 | 9月13日 | 9月14日 |
2020年 | 10月1日 | 10月2日 |
西暦 | 後の月 十三夜 | 満月 |
旧暦9月13日 | ||
2017年 | 11月1日 | 11月4日 |
2018年 | 10月21日 | 10月25日 |
2019年 | 10月11日 | 10月14日 |
2020年 | 10月29日 | 10月31日 |
○月見の風習あれこれ
最近は月見といっても、ススキとお月見団子をお供えするだけの家庭が多い様ですが、数十年前までは各地で様々な行事が行なわれていました。
・十五夜のお供え物として全国的に見られるのが、里芋等の芋類。これは、中秋の名月が里芋の収穫祭の性格を持つことを示しています。
・ススキも全国でお供えされています。供えたススキを家の軒に吊るしておくと一年間病気をしない、という言い伝えが全国にあります。
・南九州や沖縄などでは、十五夜に綱引きをする風習があります。
・「お月見どろぼう」という風習が全国にあります。家々では軒先や玄関に月見団子を縁側にお供えし、それを子どもたちが盗み食いするのです。もちろん本当のどろぼうではなく、各家庭ではあらかじめ玄関先などにお団子を置いておくわけです。団子は多く盗まれた方が縁起がよいとされました。最近では、子どもたちにお菓子を配るような場合もあるようです。
・お供えする月見団子の個数は、その年の旧暦の月数というのが一般的で、平年は12個、閏月のある年は13個お供えします。
その他にも、お月見の風習は全国各地の地域によってかなり異なり、またそれぞれに意味もあったようです。
しかし現在は、都会を中心にこれらの風習も消える傾向にあり、あまり見かけることも無くなってきました。
○まとめ
古くより伝わっているお月見の風習。
今年の十五夜には、お月見の意味やお供えの由来を考えつつ、平安の時代のように優雅に夜空をゆっくり眺めながら、お月見を楽しんでみてはいかがでしょうか?