【耳鼻咽頭の病気の治療法・予防対策】 耳鼻咽喉の病気の種類と一覧表 【健康と病気】

【耳鼻咽頭の病気の治療法・予防対策】 耳鼻咽喉の病気の種類と一覧表 【健康と病気】

耳の病気には内耳炎、中耳炎、外耳炎、各種難聴、鼓膜炎、めまい、メニエール病などがあります

鼻・のどの病気には各種鼻炎、副鼻腔炎、嗅覚障害、咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎、アデノイド、声帯ポリープなどがあります。

健康と病気についてはこちらにまとめています。

中耳炎

中耳炎とは、鼓膜と内耳の間の部分にある「中耳」という部分に細菌が感染して炎症を引き起こす病気です。

主に4つの型がありそれぞれ「急性中耳炎」「慢性中耳炎」「滲出性中耳炎」「真珠腫性中耳炎」と呼ばれます。

中耳炎の症状と原因・治療法

中耳炎には次の種類があります。

急性中耳炎

急性中耳炎は子供に多い中耳炎の型で、風邪から波及して引き起こる中耳炎のことです。

喉の奥から中耳に通じている「耳管」が感染経路となります。

急性中耳炎は中耳に炎症による膿などの産生物がたまり、内圧が高まる事により急激な熱および激しい痛みを訴えます。

また、鼓膜に孔があき、「耳だれ」が流れる事もあるが、こうなると痛みは治まります。

急性中耳炎が重症になると、炎症が頭蓋内におよんで、髄膜炎や脳腫瘍へと発展する恐れもあります。

急性中耳炎の治療法としては、抗生物質による治療が第一に行われます。

また、鼓室に膿が多くたまり、痛みが強い場合は鼓膜切開が行われます。

なお、鼓膜は皮膚の一種ですので、切開しても自然治癒します。

慢性中耳炎

慢性中耳炎とは、急性中耳炎が完治せずに長引いている状態を指します。

急性中耳炎と異なり痛みがなく、軽い難聴、耳の閉塞感などの症状がでます。

また、慢性中耳炎はもともと急性中耳炎ですので、患者には子供が多いのも特徴です。

慢性中耳炎は自然治癒することもありますが、経過によっては鼓膜の切除などの外科手術を行った方が根治しやすいでしょう。

また、慢性中耳炎では、アデノイド増殖症や副鼻腔炎、鼻炎などを伴うこともあり、これらの治療も同時に行われます。

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎とは、穿孔した鼓膜から粘液性の耳だれが断続的に流れ出る病気です。

小さな子供の難聴の大部分はこの滲出性中耳炎を原因としたものとされています。

日常生活で耳だれなどを処理して乾燥を保つ事が必要になります。

滲出性中耳炎の治療法としては、抗生物質による化学療法および、外科手術が必要となります。

真珠腫性中耳炎

真珠腫性中耳炎とは、慢性中耳炎の経過のうちに、鼓膜上皮にへこみが生じ、そこに冗費の落せつ物が蓄積して塊となる特異な病気のことです。

真珠腫は大きく成長することもあり、こうなると周囲の骨の破壊が発生します。

この影響により、顔面神経麻痺や難聴などを引き起こします。

真珠腫性中耳炎の治療として、主に鼓膜形成術(外科手術)が行われますが、手術後も再発の危険性のある病気です

突発性難聴

突発性難聴とは、名前の通り、突然耳が聞こえなくなる聴神経に関する病気です。

原因不明の病気の一つですが、近年は内耳の血流障害もしくはウイルスによる原因の二つが有力とされています。

突発性難聴の症状

突発性難聴の症状は名前の通り突然耳が聞こえなくなる症状が挙げられます。

また、以下にあげるような症状が診断の決め手となります。

  1. いつから耳が聞こえなくなったかはっきりしている。
  2. 検査をすると患者の自覚症状よりも高度の難聴となっている。
  3. 中耳炎や腫瘍などの難聴となる特定原因がみつからない。
  4. 難聴がでる前後にめまいや吐き気、嘔吐を伴う。
  5. 難聴が片方だけにおきている。

上記の一にあてはまる場合、突発性難聴と診断される可能性が高くなります。

突発性難聴の原因

突発性難聴の原因は現在はっきりとわかっていません。

突発性難聴の予防・診断

突発性難聴は発見が早いほど治療および完治する可能性が高くなります。

そのため、症状の項目で挙げた症状が自覚できた場合はすぐにでも治療・検診を受けるのが望ましいです。

突発性難聴の治療法

突発性難聴の治療は静かな環境での安静や副腎皮質ステロイドやビタミンB12などの注射、星状神経節ブロックや高圧酸素療法などが行われます。

メニエール病

メニエール病とは、耐えられないほどのめまいの発作が繰り返しおこる病気で、主にストレスなどに起因する病気といわれています。

メニエール病の症状

メニエール病の症状はめまいの発作と共に、低温の耳鳴りや低音域の難聴などが同時に現れるのが特徴的です。また、メニエール病の症状はおよそ30分から数時間の間続きひどい不安感も訪れます。

メニエール病の原因

メニエール病の原因は主に、三半規管や蝸牛など内耳の病変が原因といわれています。

メニエール病の予防・診断

メニエール病は、MRIやCTなどを使って検査を行っても、難聴をもたらす腫瘍や血管などに異常は認められません。

メニエール病の治療法

メニエール病の治療法として、普段の日常生活ではストレスをできるだけためないようにすることがアドバイスされます。

また、発作時には、炭酸水素ナトリウム、鎮静剤などの注射を行い、活動期には利尿剤や副腎皮質ホルモン、休止期には精神安定剤やビタミン剤、循環改善薬などが投与されます。

副鼻腔炎

副鼻腔炎とは、鼻の器官である鼻腔を取り巻くポケット状の構造である副鼻腔が細菌によって炎症を引き起こす病気です。

急性副鼻腔炎と、慢性副鼻腔炎の二つの症状があります。

副鼻腔炎の症状

副鼻腔炎は大きく「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」に分類することができます

急性副鼻腔炎の症状

急性副鼻腔炎の症状として顔面痛、顔面の紅潮と膨張、鼻漏、嗅覚の低下などの症状があらわれます。

これらの症状は急激に現れることが多く、重症の急性副鼻腔炎の場合、眼窩や頭蓋への炎症の波及といった恐れもあります。

慢性副鼻腔炎の症状

慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎が完治せずに慢性化している状態で、鼻の分泌物の流れ(通気)が悪くなり細菌がそこに増殖し、炎症を悪化させます。

特に、副鼻腔に膿がたまってしまうものを蓄膿症(ちくのうしょう)と言います。

副鼻腔炎の原因

副鼻腔炎の原因は主に、鼻や上咽頭の炎症や、歯とその周囲の炎症、外傷や急激な気圧変化などがその発生の原因とされています。

副鼻腔炎の予防・診断

副鼻腔炎は、鼻鏡検査において鼻の粘膜を観察し、鼻漏の細菌検査を行うことにより診断されます。

また、X線検査を行うことにより、洞内の膿などの状態を検査することもできます。

副鼻腔炎の治療法

急性副鼻腔炎の治療法として、通常抗生物質による化学療法が基本として行われます。

また、粘膜の腫脹がひどい場合には血管収縮剤の点鼻剤が用いられます。通常の場合1~2週間程度で改善するのが一般的です。

慢性副鼻腔炎の場合には、抗生物質の投与および洞内の洗浄や外科的手術による洞の開放および膿を取り出す治療が実施されます。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは、空気中に含まれている様々なアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす抗原)によりアレルギー反応を指します。

通年性(1年間に渡って症状が続くもの)と、季節性(特定の季節だけ発症する)鼻炎があります。

アレルギー性鼻炎の症状

アレルギー性鼻炎の主な症状は「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」が3大症状として挙げられます。

風邪の諸症状と似ていますが、熱や痛みなどはありません。

アレルギー性鼻炎の原因

アレルギー性鼻炎の原因は、空気中に含まれている様々な抗原である「アレルゲン」というアレルギー反応を引き起こす物質を吸引し、鼻の粘膜でアレルギー反応を引き起こすのが原因です。

通年性アレルギー性鼻炎のアレルゲンとして「ハウスダスト」「カビ」が代表で、季節性アレルギー性鼻炎のアレルゲンとして「花粉」がその代表格です。

アレルギー性鼻炎の予防・診断

アレルギー性鼻炎の診断については、血液検査における免疫学的検査、抗原と推測される物質を用いた皮膚パッチテストや鼻誘発テストなどによって診断されます。

アレルギー性鼻炎の治療法

アレルギー性鼻炎の治療として、抗アレルギー剤の投与、副腎皮質ホルモンの鼻内噴霧などが行われます。

症状がひどい場合には、鼻の粘膜部分をレーザーなどで焼き、アレルギー反応を起させないなどの外科的な治療法もありますが、根本的な完治を目的とする医療ではありません。

嗅覚障害

嗅覚障害は、においを感じることができなくなる病気です。

嗅覚障害の原因

鼻腔の奥にはにおいを感じる嗅細胞があり、この細胞がにおいの刺激をうけると、その興奮が嗅神経を経て大脳に伝わり、においとして認識されます。

この経路のどこかに障害がある場合に、嗅覚に異常をきたします。

嗅覚障害の症状

嗅覚のわずかな低下から完全な消失まで、その症状の程度は様々です。

かぜをひくなどして鼻粘膜が炎症を起こして一時的に嗅覚が低下することは誰でも経験することですが、頭部の外傷で嗅神経が破損したために嗅覚が失われてしまうなど、重大な原因による場合もあります。

また、神経症やストレスなど精神的な原因で、本来のにおいとは異なるにおいを感じる、錯嗅(さっきゅう)という嗅覚異常が起こることもあります。

嗅覚障害の治療法

副腎皮質ホルモン剤の点鼻が有効です。かぜや副鼻腔炎など、嗅覚を低下させる原因となるそれぞれの病気の治療を行います。

しかし、嗅神経や嗅細胞そのものに障害がある場合は、回復は困難です

急性咽頭炎

急性咽頭炎とは、咽頭粘膜が炎症を起こして腫れる状態のことでかぜの症状で出ることが多いものです。

急性咽頭炎の原因

ウイルスや細菌感染、また汚れた空気による刺激などによっても起こりますが、最も多いのはかぜの症状として咽頭の粘膜が腫れるケースです。

急性咽頭炎の症状

咽頭粘膜が炎症を起こして腫れます。

腫れは鏡の前で口を開くと自分でも確認できるものです。また、ものを飲み込むときに痛みを感じます。

倦怠感や発熱を伴うこともあります。

急性咽頭炎の治療法

うがいやトローチ薬などで咽頭を清浄にします。

炎症は消炎酵素剤で抑え、細菌感染による場合は抗生物質を投与します。

急性喉頭炎

急性喉頭炎とは、呼吸器官の入り口にあたる喉頭に炎症が生じた状態のことです。

急性喉頭炎の原因

呼吸器官の入り口にあたる喉頭に炎症が生じるもので、かぜの症状としてよく起こります。

また、空気中のほこりやちり、タバコの煙などでのどに刺激を受けたり、有毒なガスを吸引することでも起こります。

急性喉頭炎の症状

喉頭部に痛みや異物感を覚えたり、声がしわがれたりします。咳や痰が出ることもあります。

急性喉頭炎の治療法

抗炎症剤やトローチ薬などによって喉頭部の炎症を緩和するとともに、空気の汚れや乾燥を改善します。

声がしわがれたときは、炎症が治まるまでなるべく声を出さないようにします。

急性扁桃炎

急性扁桃炎とは、かぜの症状の一部で、細菌感染などによっても発病するもので、扁桃が炎症を起こす状態のことです。

急性扁桃炎の原因

かぜの一部症状として現われるほか、細菌感染によっても発病します。

体内には絶えずウイルスや細菌が侵入しようとしていますが、リンパ組織の集まりである扁桃(へんとう)が撃退しています。

しかし、体の抵抗力が弱まっているときには撃退しきれず、炎症を起こしやすくなります。

急性扁桃炎の症状

扁桃が炎症を起こして咽頭が痛み、38~40度の高熱が出ます。体の抵抗力の弱い子供がかかりやすく、習慣性になることも少なくありません。

急性扁桃炎の治療法

抗生物質や鎮痛解熱剤、消炎酵素剤などを投与します。

年に数回の頻度で扁桃炎を繰り返すものも習慣性扁桃炎といい、扁桃を切除する手術が必要になる場合もあります。

健康と病気についてはこちらにまとめています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です