介護報酬が2021年に改訂されて3年の措置期間が過ぎれば、栄養ケアマネジメントは必須の業務になります。また、特別養護老人ホームや老人保健施設に転職や新入職して最初につまずくところも栄養ケアマネジメントだと思います。その栄養ケアマネジメントで一番わからないのが栄養ケア計画書の作成内容ではないでしょうか?
今回はそんな悩める管理栄養士を力になるために、栄養ケア計画書の記入例と私が業務を簡素化するために使っている定型文と事例集を大公開します。
栄養ケア計画書の書き方
画像に栄養ケア計画書の記入例を書いています。わかりやすいように
黄色で色を付けているところが私が使用している定型文になります。
青字に色を変えているところが個々の利用者で変更しているところです。
そのほかに食事に関して必要なことがあれば個別で追加記入しています。
画像に沿って各項目の説明をします。
栄養ケア計画書の作成手順はこちらを参考にしてください。
利用者及び家族の意向
〇本人の食事に対する意向がわかれば記入
〇家族の食事に対する意向を記入
解決すべき課題(ニーズ)
〇アセスメントで出た課題を記入
【定型文】
★低リスクでほぼ問題のない入所者 ・入所者に合った適正な食事により低リスクを維持する。
長期目標
〇食事に関する目標を記入する。
【定型文】
★低リスクでほぼ問題のない入所者 ・利用者の意向に沿った食事を提供し、食思・体重を安定させる。
★経管栄養や栄養補助食品だけ場合 ・利用者に合った栄養補給法にて安全に栄養補給を行い、体重を安定させる。
栄養ケアの具体的内容(記入例と事例集)
栄養ケア計画書作成【定型文と記入例】
・毎日3食摂食量を10段階でチェックする。
・毎月1回月初めに体重測定をおこなう。
・本人の意向を考慮した食事を提供し個別化に対応する。
食種「現在提供している食種を入力」
・栄養補助食品の必要性 「有無」 必要性があれば入力
・嚥下調整食の必要性 「有無」コード「 」 必要性があれば入力
・水分とろみの必要性 「有無」「薄い・中間・濃い」 必要性があれば入力
必要栄養量 「アセスメントで出た数値を記入」kcal
タンパク質 「アセスメントで出た数値を記入」g
提供栄養量 「施設で提供している栄養量を記入」kcal
タンパク質 「施設で提供している栄養量を記入」g
・食事中の見守りを行う。
・状態に合わせ食種等の検討を行う。
たとえば
・麻痺があり自助具などが必要な場合はその具体的な内容を追加する。
・姿勢崩れなどがありポジショニングが必要な場合はその具体的な内容を追加する。
などなど
栄養マネジメント強化加算で中・高リスクに該当する場合【定型文と記入例】
【低栄養リスクがある為以下の対応を行う。】
・週に3回以上のミールラウンド。
・必要に応じて食事形態や食事内容を変更する。
★ミールラウンド時に観察すべきポイントがあれば追加で記入する。
療養食加算がある場合【定型文と記入例】
【療養食加算 Dr指示で減塩食】 ・塩分「6.0g未満」の減塩食を提供。
【療養食加算 Dr指示でDM食】 ・カロリー「〇〇kcal」の糖尿病食を提供。
経験栄養・胃ろうの場合【定型文と記入例】
・毎月1回月初めに体重測定をおこなう。
・本人に適した栄養補給法を個別化に対応する。
・栄養投与ルート、注入速度、栄養剤を個別に対応する。
経管栄養剤「経管栄養剤の種類と栄養量を記入。」
必要栄養量 「アセスメントで出た数値を記入」kcal
タンパク質 「アセスメントで出た数値を記入」g
提供栄養量 「施設で提供している栄養量を記入」kcal
タンパク質 「施設で提供している栄養量を記入」g
・嘔吐や逆流がないか確認・見守りを行う。
・チューブから漏れ出していないか確認を行う。
・注入部を衛生に保つ。
★追加で栄養剤の投与回数や水分量について記入する。
★その他胃ろうを注入する際の注意点を記入する。
看取りの場合【定型文と記入例】
看取りの為本人の状態に合わせ無理の無い栄養補給を行う。
・嗜好や体調の変化にあわせて食べられるもの好きなものを提供する。
・食形態や補助食品等をそのときの状態に合わせて段階的に変更する。
・家族に好きだった食べ物や飲み物等を依頼する。
★その他何か追加する項目があれば記入する。
一体型様式の参考 記入例
そのほか介護施設の管理栄養士に役立つサイトをまとめています。
【ここだけみれば大丈夫!!】現役管理栄養士が介護報酬改定2021をわかりやすくまとめした!【栄養マネジメント強化加算・厚生労働省】