【皮膚の病気の治療法・予防対策】 皮膚の病気の種類と一覧表 【健康と病気】
皮膚の病気にはアトピー性皮膚炎、とびひ、じんましん(蕁麻疹)、薬疹などがあります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは、激しいかゆみと共に発疹を繰り返す慢性的な皮膚病の一つで、以前は乳幼児に多い病気でしたが、近年では成人でもアトピー性皮膚炎を患う患者が増加傾向にあります。
アトピー性皮膚炎の症状
アトピー性皮膚炎の主な症状は、非常に激しいかゆみを伴う発疹を繰り返すという症状が特徴的です。
アトピー性皮膚炎では、通常かゆみと共に湿疹が現れるが、その状態は大きく
- 皮膚表面が赤くなる
- 皮膚にブツブツができる
- 皮膚が湿ったような状態になる
- 皮膚がカサカサになり剥がれ落ちる
- カサブタができる
といった大きく5種類の状態となります。
これらの状態が単独もしくは併発して現れるものアトピー性皮膚炎の特徴です。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎の原因は、ダニ・カビ・食物アレルギー反応など実に様々な要因が考えられ、同じアトピー性皮膚炎であっても患者ごとに原因となる物質や発症の条件は異なります。
通常、アトピー性皮膚炎を引き起こすとき、アトピーの準備段階ともいえる皮膚状態の変化(皮膚の乾燥)が認められます。
皮膚がこのような準備段階に入ったときになんらかのアレルギー物質(アレルゲン)を摂取することによりアトピー性皮膚炎が発症すると考えられています。
アトピー性皮膚炎の原因としては、生活環境・生活習慣・ストレスなどが原因とされていて、この他にも家族性(家族に喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の既往歴のある人がいる人はアトピー性皮膚炎になりやすい)も認められます。
アトピー性皮膚炎の予防・診断
アトピー性皮膚炎は、多くの場合顔・頸・肩・手足の内側関節に多く発症します。
これらの部位では比較的対照的に現れ、非常に強いかゆみを持つために、掻く→皮膚が傷つく→傷口に細菌が侵入する→皮膚炎の悪化という悪循環が続く恐れがあります。
アトピー性皮膚炎の治療法
アトピー性皮膚炎の治療法としては、通常生活習慣面からの改善指導が行われます。
特に通年性の場合、部屋のホコリやカビ・ダニなどがその原因物質となっていることもありますので、換気や掃除などが推奨されます。
この他、入浴などで体を清潔にし、刺激性のある化粧品や衣服、外用薬などを控えるといった指導もされます。
食事に関しては特に乳幼児の場合は特定の食品にアレルギー反応が認められる場合を除き制限はしないのが一般的です。
アトピー性皮膚炎の薬物療法としては、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、副腎皮質ホルモン、漢方薬など様々な処方例があります。
じんましん(蕁麻疹)
じんましんとは、急に体の様々な部分が痒くなり、その部分が赤くはれて盛り上がる皮膚病の一つです。
日本人の場合5人に1人は一生の内に経験するといわれるほど、非常に身近な病気の一つです。
じんましんの症状
じんましんは、急に体の様々な部位が痒くなり、その部位の皮膚が赤くなり、表面が盛り上がります。
通常は数分~数十分でじんましんは消失しますが、痒くなった際に掻いてしまうとその部位がミミズ腫れを起します。
同じ原因により繰り返し症状が引き起こされるのも特徴です。
また、じんましんは要するにアレルギー性の反応であることから、発熱、下痢、腹痛、関節痛、呼吸困難、ショックといったような症状を起す事があります。
じんましんの原因
じんましんは大きく「アレルギー性じんましん」「非アレルギー性じんましん(」「遺伝性じんましん」の三つに大別する事ができます。
・アレルギー性じんましん
アレルギー性じんましんは主に、Ⅰ型アレルギーが関与していると考えられています。
IgEと呼ばれる抗体が肥満細胞に付着し抗原がその抗体に付着することにより、肥満細胞が活性化され、ヒスタミンという物質を大量に放出してじんましんを引き起こします。
ヒスタミンが放出される時間は15分程度ですので、通常はすぐに症状は治まります。
アレルギー性じんましんの抗原として知られているのは、食品の場合「魚介類」「肉類」「卵類」「ミルク」「ソバ」などが代表的です(食事性蕁麻疹)。
この他、食品添加物、虫さされ、ウイルス・細菌などによってアレルギー性じんましんが引き起こされる事もあります(薬剤性蕁麻疹)。
・非アレルギー性じんましん(蕁麻疹)
非アレルギー性じんましん(蕁麻疹)はアレルギー反応ないものの、何らかの刺激により肥満細胞よりヒスタミンが放出され、神経末端からアセチルコリンなどの物質が分泌される事により、じんましんの症状がでるものです。
アレルギー性のじんましんと異なり、ヒスタミンの放出時間が長い場合があり、すぐに症状が落ち着かない場合もあります。
・コリン性じんましん
発汗刺激により生じるじんましんです。
痒さよりも痛痒さを訴える場合が多いのが特徴です。
一過性で汗をかくたびにじんましんの症状がでます。
原因は完全には不明ですが、一説では発汗により中脳の発熱中枢が刺激されアセチルコリンが分泌される事によるものと言われています。
・物理性じんましん
寒冷などにより生じる「寒冷性じんましん」や機械刺激、圧迫、運動などにより誘発されるじんましんの一種です。
・日光じんましん
日光を浴びる事によりおこるじんましんで、日光があたった皮膚に限定して芳情が現れ、日光を避けることにより数時間で痕を残さないで消えるのが特徴です。
じんましんの治療法
じんましんの治療法としては、かゆみおよび発疹を抑える為に抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を投与するのが一般的です。
また、場合によっては副腎皮質ホルモンが投与されます。
じんましんは日ごろからできる限りじんましんの原因となる物質(特に食物)に注意する事が大切です。
薬疹
薬疹とは、名前の通り薬剤に反応して発疹が起こる皮膚病の一つです。
薬疹では、薬疹を引き起こした薬剤の使用を停止することにより症状は改善し、服用を続ける事で悪化するのが特徴です。
薬疹の症状
薬疹の症状としては、発疹の種類も多く、様々な症状が現れます。代表的な薬疹の症状としては以下のようなものが現れます。
- 発赤・紅斑
- 丘疹
- 水疱
- 固定薬疹:決まった場所に固定的に発疹が現れる
- 日光過敏症:日光を浴びた部分に対して選択的に発疹が現れる。
- スティーブンジョンソン症候群:全身的に皮膚も粘膜も侵されて高熱や内臓障害が現れる。
- じんましん(蕁麻疹)
薬疹の原因
薬疹の原因は名前の通り薬剤によるものです。
一般的にあらゆる薬品が薬疹の原因となりえますが、実質し尿頻度の高い鎮痛剤・解熱剤・抗生物質などがその原因となるケースが多くなっています。
薬疹の治療法
薬疹の治療法としては、原因となる薬剤の使用を中止する事で、発疹が続く場合はそれらの症状にあわせた対症療法が行われます。