【管理栄養士国家試験勉強】【過去問題】「食べ物と健康 食品の機能 一次機能」わかりやすくまとめてみました

管理栄養士国家試験対策 食べ物と健康 食品の機能 一次機能

炭水化物「単糖類・二糖類・多糖類・でんぷん」

脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル(無機質)

管理栄養士の国家試験の基礎知識を科目別にまとめてみました!

最後に管理栄養士国家試験の過去問題も復習をかねて解いて見てくださいね。

こちらも見てくださいね^^

食品の機能 一次機能  二次機能  三次機能

 

食品の機能 一次機能

・食品の機能には一次機能(栄養機能)、二次機能(感覚・嗜好機能)、三次機能(生体調節機能)がある。

炭水化物

・炭水化物は、単糖あるいはそれを最小単位とする重合体である。最小単位である単糖類、2~10個の糖が結合した少糖類(オリゴ)、多数の糖が結合した多糖類、糖の一部が変化した誘導糖類に分類される。

・日本食品標準成分表では、炭水化物を糖質と食物繊維に分けて表示されている。糖質はエネルギー源となる成分で、食物繊維は人の消化酵素によって消化されない難消化性成分である。食物繊維はエネルギー源とはならず、整腸作用などを示す。

〇単糖類

・単糖類は、これ以上分解できない炭水化物の最小単位。

単糖類 特徴
グルコース(ブドウ糖) 二糖類のマルトース・スクロース・ラクトース。多糖類のでんぷん・グリコーゲン・セルロース等の構成成分として食品中に幅広く存在する。
フルクトース(果糖) はちみつや果実等に存在する。甘味は一番強い。
ガラクトース ラクトース・糖脂質・糖たんぱく質などの構成成分として存在する。

〇少糖類

・少糖類は、2~10個の糖がグリコシド結合により結合したもの。

少糖類 特徴
マルトース(麦芽糖) グルコースとグルコースが結合した二糖類。麦芽等に含まれる。還元性を持つ。
スクロース(ショ糖) グルコースとフルクトースが結合した二糖類。サトウキビや果実等に含まれる。還元性を待つない非還元糖である。
ラクトース(乳頭) グルコースとガラクトースが結合した二糖類。牛乳等に含まれる。還元性を待つない非還元糖である。
トレハロース グルコースとグルコースが結合した二糖類。
ラフィノース グルコース・フルクトース・ガラクトースが結合した3糖類。大豆等に含まれる。
スタキオース グルコース・フルクトース・ガラクトース・ガラクトースが結合した4糖類。大豆等に含まれる。

〇多糖類

・多糖類は、多数の糖がグリコシド結合により重合したもの。

多糖類 特徴
でんぷん アミロースとアミロペクチンからなる。穀類・芋類の貯蔵性多糖類。
グリコーゲン 動物の貯蔵性多糖類。特に筋肉と肝臓に多く存在する。
セルロース 植物の細胞壁の構成成分。整腸作用がある。
グルコマンナン グルコースとマンノースが結合した多糖類。こんにゃく芋に含まれる。
ペクチン ガラクツロン酸が結合した多糖類。果実等に含まれる。
アルギン酸 マンヌロン酸とグルロン酸が結合した多糖類。昆布やワカメ等の褐藻類に含まれる。
キチン N-アセチルグルコサミンが結合した多糖類。カニやエビ等の甲殻類の殻に含まれる。
寒天 アガロースとアガロペクチンからなる。テングサ等の紅藻類に含まれる。

脂質

・資質は、水に不溶で、有機溶媒に溶ける物質の総称である。

・脂質の科学的特徴

名称 特徴 小さい 大きい
ヨウ素価(IV) 構成している脂肪酸の二重結合の数を示す 酸化が起こりにくい 酸化が起こりやすい
ケン化価(SV) 構成している脂肪酸の分子量(大きさ)を示す 長鎖脂肪酸が多い 短鎖脂肪酸が多い
酸価(AV) 油脂の精製度、加熱油の劣化の程度を示す 加熱によって油が悪くなっていく
過酸化物価(POV) 油と酸素が結合して生じた過酸化物の量を示す 酸化が進んでいる
カルボニル価(CV) 油脂の酸化により二次的に生じる
カルボニル化合物(アルデヒドやケトン類)量を示す
酸化が進んでいる

・脂質の酸化

油脂を含む多くの食品は、保存中に酸化が徐々に進み、味・臭い・色・粘度などの変化が生じる。この油脂の変質を酸敗という。油脂の酸化には、自動酸化・熱酸化・光増感酸化・酸素酸化がある。油脂の酸化に影響を与える酸素・熱・光・酵素・金属イオン等の因子を除くことで参加の進行を遅らせることが出来る。

・自動酸化

自動酸化は、空気中の酸素に触れることで起きる酸化反応。不飽和脂肪酸に起こる。この反応は連鎖的に進行するため、自動酸化と呼ばれる。

①油脂の不飽和脂肪酸が、光・熱・放射線等の影響を受け、脂質ラジカルとなる。

②脂質ラジカルは、酸素と反応して、脂質ペルオキシラジカルとなる。

脂質ペルオキシラジカルは、不飽和脂肪酸から水素を引き抜き、脂質ラジカルを作ると同時に、脂質ヒドロペルオキシド(過酸化脂質)となる。

・熱酸化 油脂を高温で加熱することで酸化が起こり、不快臭・着色・泡立ち・粘度の増大などが見られる。

・光増感酸化 食品中にクロロフィル等が存在すると、これらの色素が光を収集して、酸素を励起させ一重項酸素を生成する。一重項酸素は、不飽和脂肪酸を酸化し、脂質ヒドロペルオキシドを生成する。紫外線はエネルギーが強いため、色素がなくても酸化を促進する。

・酵素酸化 不飽和脂肪酸の酸化を促進する酵素として、リポキシゲナーゼがあり、豆類や穀類などに多く存在する。リポキシゲナーゼは、不飽和脂肪酸を酸化し。脂質ヒドロペルオキシドを生成する。

・脂質の酸化防止 酸化に影響を与える因子を取り除くことで酸化を防止する。

物理的防止法:低温貯蔵、真空パック、紫外線のカット、脱酸素剤などにより酸化を防止できる。

科学的酸化防止法:過酸化物質分解剤、酸素阻害剤、還元剤、ラジカル補捉剤、金属キレート剤などにより酸化を防止できる。

・脂質の乳化

乳化とは2つの溶けあわない液体の片方を細滴として混ぜ合わせる事。乳化した液体をエマルション(乳濁液)といい、水中に油の微粒子が分散した水中油滴型(O/W型)と、油中に水分子が分散した油中水滴型(W/O型)がある。

・水素添加

油脂を構成している脂肪酸の反応は、二重結合の数に応じて高くなる。飽和脂肪酸は安定であるが、不飽和脂肪酸は不安定なため反応が高い。

たんぱく質

たんぱく質は、20種類のアミノ酸を構成単位とし、これらが一定の配列でペプチド結合をしている。たんぱく質はアミノ基とカルボキシル基からなる化合物で、20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できない、合成量が少ないアミノ酸を必須アミノ酸という。

食品中のたんぱく質

分類 主なたんぱく質 特性 溶解性
塩類溶液 希酸 希アルカリ アルコール
アルブミン オボアルブミン(卵白) 熱凝固する + + + +
ラクトアルブミン(牛乳)
グロブリン オボグロブリン(卵白) 熱凝固する + + +
ミオシン(筋肉)
グリシリン(大豆)
グルテニン オリゼリン(米) 熱凝固しない + +
グルテニン(小麦)
プロラミン グリアジン(小麦) 熱凝固しない + + +
ゼイン(トウモロコシ)

・タンパク質の変性

たんぱく質の立体構造が、物理的・化学的処理によって変化を起こすことを、たんぱく質の変性という。たんぱく質が変性をすると、変性前のとは異なった性質、溶解度の低下・凝固・沈殿・粘性の増加などを起こす。タンパク質の変性の多くは、不可逆的変化である。

たんぱく質の変性を利用した食品

変性 要因 食品例
加熱変性 加熱 ゆで卵・湯葉・ゼラチン化
表面変性 泡立て アイス・メレンゲ・スポンジケーキ
凍結変性 凍結 凍り豆腐
酸変性 乳酸・酢酸 ヨーグルト・しめさば
アルカリ変性 水酸化ナトリウム・石灰 ピータン
金属や塩類による変性 マグネシウム・カルシウム 豆腐

ビタミン

ビタミンは、溶解性により、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに大別される。

・脂溶性ビタミンは、ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKの4種類。脂溶性ビタミンは、過剰摂取すると体内に蓄積されるため、過剰症が起こることがある。

脂溶性ビタミン 特徴
ビタミンA(レチノール) 主に動物性の食品中ではレチノール、植物性の食品中ではカロテノイドとして存在する。カロテノイドは体内でビタミンAに変化する。
ビタミンD(カルシフェロール) 植物に含まれるビタミンD2と動物に含まれるビタミンD3がある。紫外線が照射されることで生成される。ビタミンDの効力は同じである。
ビタミンE(トコフェロール) α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロールなどがある。α-トコフェロールは強力な酸化作用があり、多価不飽和脂肪酸などの酸化を防止する。
ビタミンK 植物起源のビタミンK₁と微生物起源のビタミンK₂がある

・水溶性ビタミンは、ビタミンB1・ビタミンB2・ナイアシン・ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸・パントテン酸・ビオチン・ビタミンCの9種類。必要量以外は尿中に排泄されるため、過剰症は起こりにくい。

水溶性ビタミン 特徴
ビタミンB1(チアミン) 酸や光に対して安定。アルカリに対して不安定。
ビタミンB2(リボフラビン) 酸や熱に対して安定。アルカリや光に対して不安定。
ナイアシン(ニコチン酸) 体内で必須アミノ酸のトリプトファンから合成される。熱・酸・光・アルカリに対して安定。
ビタミンB6 主に動物性の食品中ではピリドキサールやピリドキサミン、植物性の食品中ではピリドキシンとして存在する。アルカリ・光に対して不安定。
葉酸 複数のグルタミン酸が結合したポリグルタミン酸型葉酸として存在する。
パントテン酸 熱・酸・アルカリに対して不安定。
ビオチン 通常の食事で不足する事はない。
ビタミンC(アスコルビン酸) 強い還元性がある。油脂やビタミンAの酸化防止、肉製品の還元剤など、食品加工に広く利用されている。

ミネラル(無機質)

★過去問題

29-53 脂質に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。(1)飽和脂肪酸の構成部合が大きくなると、ヨウ素価は大きくなる。
(2)天然に存在する不飽和脂肪酸は、主にトランス型である。
(3)リン脂質のリン酸部分は、疎水性を示す。
(4)活性メチレン基の多い脂肪酸は、酸化しにくい。
(5)不飽和脂肪酸は、酵素的に酸化される場合がある。

解答

(5)不飽和脂肪酸は、酵素的に酸化される場合がある。

30-48 油脂の化学的特性に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。(1)大豆油のケン化価は、バターより大きい。
(2)ラードのヨウ素価は、イワシ油より大きい。
(3)過酸化物価は、自動酸化初期の指標となる。
(4)新しい油脂の酸化は、古い油脂より大きい
(5)油脂の酸敗が進行すると、カルボニル価は小さくなる

解答

(3)過酸化物価は、自動酸化初期の指標となる。

31-49 食品中のたんぱく質の変化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。(1)ゼラチンは、コラーゲンを凍結変性させたものである。
(2)ゆばは、小麦たんぱく質を加熱変性させたものである。
(3)ヨーグルトは、カゼインを酵素作用により変性させたものである。
(4)魚肉練り製品は、すり身に食塩を添加して製造したものである。
(5)ピータンは、卵たんぱく質を酢で凝固させたものである。

解答

(4)魚肉練り製品は、すり身に食塩を添加して製造したものである。

32-48 鶏卵に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。(1)全卵たんぱく質のアミノ酸スコアは、80である。
(2)オボアルブミンは、卵黄の主要たんぱく質である。
(3)リゾチームは、卵白よりも卵黄に多い。
(4)卵黄係数は、鮮度が低下すると高くなる。
(5)卵黄のリン脂質は、レシチンを含む。

解答

(5)卵黄のリン脂質は、レシチンを含む。

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