【腎臓病の原因と治療法・予防対策】 腎臓の病気の種類と一覧表 【健康と病気】
腎不全
腎不全とは、腎臓機能が低下した状態です。慢性腎不全と急性腎不全があります。
慢性腎不全の場合、ほとんどのケースで慢性腎炎や糖尿病性腎炎から引き起こされます。
呼吸困難や心不全などの症状が現れます。
尿毒症になる恐れがあるため、人工透析が必要となります。現代医学では慢性腎不全は根治できません。
腎不全となる前に的確な対策が必要です。
腎不全の症状
腎臓では、体液から代謝老廃物を排泄する機能や水分量の調整、ホルモン様物質の合成など様々な機能を持っています。
何らかの原因によりこの腎臓機能に障害が発生している状態を腎不全といいます。腎不全では、腎臓機能の低下により尿毒症と呼ばれる病気(疾患)を引き起こします。また、様々な合併症(高血圧による心筋梗塞など)を引き起こす恐れもあります。
腎不全は大きく「慢性腎不全」と「急性腎不全」の二種に大別できます。
慢性腎不全
慢性腎不全とは、腎臓機能が低下した状態が根治できない状態に達し、採取的には尿毒症を引き起こします。
症状としては、疲労感が初期に起こり、最終的に皮膚の黒ずみなどが見られるようになります。
さらに、場合によっては精神異常や骨軟化症、出血なども見られます。
急性腎不全
急性腎不全とは、一過性の原因により一時的に腎臓機能が低下している状態です。
原因の改善により腎臓機能は元に戻ります。
症状としては体液の異常に起因する細胞外液量の増加や心不全、不整脈などの症状が見られます。
腎不全の原因
急性腎不全の原因の大半は出血や脱水、アルコールの多飲、尿路閉塞などが挙げられます。
対して、慢性腎不全の原因は慢性糸球体腎炎、悪性高血圧、膠原病、糖尿病などが主たる原因となっています。
腎不全の対策・予防策
腎不全といっても、腎臓機能が低下しむくみをはじめとした症状がない場合、食事療法の必要はありません。
しかし、高血圧や動脈硬化などがあれば、塩分をコントロールするなどの特別などが必要となります。
また、尿検査により蛋白尿が検出される場合はタンパク質の摂取も少なくするなどの対策が必要です。
腎不全の治療法
急性腎不全の場合、原因を取り除くことが重要となる。自然的に回復するケースも多いので医師の診断に従うようにしましょう。
慢性腎不全の場合、根治が不可能なので、まずは透析療法への移行をなるべく遅い時期にするために病気の進行を遅らせることが重要となります。
また、慢性腎不全のもう一つの治療目的は、合併症の予防です。慢性腎不全といっても現在では透析治療がありますので、死に至ることはありませんが、高血圧などの症状による心筋梗塞や脳卒中などの合併症を予防する必要があります。
大きな治療法としては、人工透析が必要になるのを遅らせる措置(食事療法・安静療法・薬物療法などの組合せ)が最重要です。
ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群とは、腎糸球体の障害により発症する病気です。高度の蛋白尿や低蛋白血症が症状として挙げられます。
慢性化しやすい病気で、症状の程度も軽くなったり重くなったりします。
ネフローゼ症候群の症状
ネフローゼ症候群とは、腎臓機能の低下により、本来腎臓において尿が生成される際に血液中に戻されるべきタンパク質が尿として排出され、血液中に排出される病気です。
なお、理由の如何を問わず血中のタンパク質が減少している状態をネフローゼ症候群と呼びますので、腎臓に原因がない場合であっても、
ネフローゼ症候群と呼びます。(なお、ネフローゼという病名はありません)
一日に排出される尿中のタンパク質が3.5g以上、血清中のアルブミン量が3.0g/dL以下となった状態をネフローゼ症候群と診断します。
ネフローゼ症候群の原因
ネフローゼ症候群は、「症候群」と呼ばれるように実に様々な原因により発症します。
以下は代表的なネフローゼ症候群の発症原因です。
- 原発性腎臓病
- 膠原病
- 新陳代謝の異常
- 循環器系の疾患
- アレルギー物質(花粉・毒など)
- 遺伝的疾患(先天性ネフローゼ・家族性ネフローゼ)
ネフローゼ症候群の対策・予防策
ネフローゼ症候群は発症が様々な要因となりますので、具体的な予防策は確立されていません。
ただし、初期の段階でも様々な症状がでますので、異常がある場合は医師に相談しましょう。
- 体がだるい
- 尿の量が少なくなった
- まぶたなどに浮腫み(むくみ)が出る
- 手足が太くなる
上記のような症状が特にネフローゼ症候群の初期症状と言われます。
小児の場合であっても発症する病気ですので注意しましょう。
ネフローゼ症候群の治療法
ネフローゼ症候群は、比較的危険な症候群で入院が必要となります。本来血液にあるべきタンパク質(アルブミン)が少ないことにより抵抗力が非常に弱った状態となるのです。
原因により治療法は異なりますが、慢性糸球体腎炎が原因の場合にはステロイドホルモンの投与による薬物治療が一般的です(治療中はさらに抵抗力が弱まりますので、最大限の健康管理が重要です)
糸球体腎炎
糸球体腎炎とは、連鎖球菌感染に続いて抗原高知ア反応により発症する慢性的な炎症を指します。
血尿や尿量現象、浮腫、高血圧といった症状が現れます。
糸球体腎炎の症状
糸球体腎炎の主な症状としては血尿、尿量の現象、浮腫、高血圧などが現れます。
糸球体腎炎の原因
レンサ菌感染後に両側腎糸球体に炎症を起こすことが原因といわれています。
体内に侵入した連鎖球菌に対して体内が抗体を作り、結果的に抗原と抗体が免疫複合体を形成し、腎臓に炎症を引き起こします。
糸球体腎炎の治療法
急性糸球体腎炎の治療としては水分、塩分、タンパク質を制限する食事療法や利尿剤・降圧剤・抗生物質などを使用した治療を行います。
慢性糸球体腎炎
慢性糸球体腎炎とは、急性糸球体腎炎の発症後から1年以上にわたり異常所見が見られる状態を指します。長い経緯を経ますが、治癒しない腎炎です。なお進行により腎不全から尿毒症へと変化します。
IgA腎症(ペルジェ病)
IgA腎症(ペルジェ病)とは、慢性糸球体腎炎の病型の一つ。糸球体メサンギウム細胞と基質の増殖性変化メサンギウム領域へのIgA(免疫グロブリンA)を主体とする沈着物が認められるものをいう。
IgA腎症の原因
詳しい原因は不明ですが、有力なものは、食物やウイルスを抗原とする免疫複合体の糸球体内沈着によって引き起こされるとする説があります。
また、腎生検を行う頻度と比例すると考えられたり、人種的・遺伝的要因があるともいわれています。
IgA腎症の症状
風邪や消化管の感染症、冷えなどがあった場合に、血尿が見られることがありますが、初期段階では無症状なので注意が必要です。
IgA腎症の治療法
尿検査などからIgA腎症が疑われると、入院のうえで腎生検が行われ、その結果により診断が確定します。
診断が確定すると、病気の程度により、生活指導、食事療法 、薬物療法、扁桃腺摘出+ステロイドパルス療法、ビオチン療法などで治療を行う。
尿路結石
尿路結石とは、様々な原因により結石が形成され、このことにより腎臓、尿管、膀胱、尿道までの尿路に結石が詰まる事を指します。特に、尿管においておこることが多い病気です。疼痛や血尿が伴います。
尿路結石の主な症状
結石が存在する側のわき腹から腰骨部にかけて痛み(激痛、鈍痛とさまざま)が起こり、結石の下降とともに放散します。
痛みは何の前触れもなく突然起こる事もしばしばです。
吐気、嘔吐、血尿・結石が尿管下方に移行し膀胱近傍に存在すると膀胱炎と似た症状(頻尿、残尿感)を起こすこともしばしばです。
また結石による通過障害により水腎症を来します。
尿路結石の主な原因
尿中には、結石を構成する成分が溶解しています。例えばシュウ酸、シスチン酸、尿酸、リン酸マグネシウムアンモニアなどです。
これらは、結石促進因子と結石阻止因子とのバランスで保たれているのですが、尿の酸性度、尿量減少、濃縮、感染などの促進因子が強くなると、バランスの崩れをおこし、析出して結石が作られるのです。
なお、結石の約80%はカルシウムです。