【脳の病気の原因と治療法・予防対策】脳の病気の種類と一覧表【健康と病気】

脳の病気の主な原因と症状

脳・脊髄・神経の病気には、片頭痛、脳梗塞、てんかん発作、アルツハイマー病、脳内出血、くも膜下出血、脳血管障害、脳貧血、脳挫傷、脳血栓、脳動脈瘤などがあります。

発見が遅れると最悪の結果になるほどの重大な病気が多くあります。

ただの頭痛だと思って何もしなければ、大変なことになる可能性もあります。

健康と病気についてはこちらにまとめています。

脳梗塞

脳塞栓は脳出血と同様に、急激な発作で発症します。症状の重さは梗塞部位に応じて異なります。

詰まった脳血管をなるべく早く再開通させることで、脳へのダメージが最小限にとどめられます。

症状が出てから数時間以内の診断・治療が大きなポイントとなる疾患です。

「脳梗塞」の主な症状

下肢の筋力低下や麻痺、言語障害、手足が動かない、ろれつが回らない、歩行中に倒れる、頭痛、意識消失などがあります。

「脳梗塞」の主な原因

脳へ血液を供給する脳血管が様々な原因で詰まってしまい、それより末梢側に血液が行き届かなくなり生じる病気です。

動脈硬化の進行によって脳血管の内腔が狭くなり、発症する脳血栓(脳血栓は60歳代以降に多いのが特徴です。)

心房細動や弁膜症などの心疾患や、いわゆるエコノミークラス症候群に見られる脱水や血流低下のため、心臓内や血管内にできた血液の固まり(塞栓)が脳に運ばれ脳血管が詰まってしまう脳塞栓(脳塞栓は年齢に関係なく起こります。)

脳血栓症

脳の動脈硬化が進むと、動脈の内腔が狭くなり、その部位に血液のよどみができます。

そのため、徐々に血栓(血液のかたまり)ができて、血栓が血管の内腔をつまらせてしまう(閉塞)のが脳血栓です。

脳血栓は急激な発作で発症することは少なく、症状はゆっくりと現れます。比較的軽い半身の麻痺や言語障害で始まり数分から数時間と病状が進行していきます。

血圧の低下する夜間や朝などの安静時に起こりやすく、手足が動かない、力が入らない、ろれつが回らない、歩行中に倒れるといったような症状がおこります。

最近では、脳血栓の症状、治療方針、予後などが異なるために、つぎの二つに分けられています。

「アテローム血栓性脳梗塞」

脳に酸素や栄養を運ぶ太い動脈(主幹動脈)の内腔に、脳血栓によって狭窄や閉寒がおこるもの。

「ラクナ梗塞」

ラクナ梗塞とは、直径が15mm以下の小さな梗塞のことです。

脳血栓は、とくに高血圧や糖尿病が原因となっておこることが多く、そのほか、高脂血症、多血症、喫煙なども原因としてあげられます。

「脳血栓」の症状の特徴

よくみられる脳血栓の症状は、片側の顔面や舌のまひのためにろれつが回らない(構音障害)同じ側の手足のまひや感覚の低下です。

アテローム血栓性脳梗塞では、これらの症状に加え、意識障害や失語、失行、失語、半盲などの高次機能障害がみられるのが特徴です。

これに比べてラクナ梗寒は、意識障害はなく、構音障害、まひや感覚障害だけで、症状が軽いのが特徴です。

脳血栓は睡眠中や起床時など安静時におこることが多く、数時間から数日、ときには一か月にわたり時間を追ってゆるやかに段階的に症状が強くなってくるのが特徴です。

脳出血

脳出血とは、脳にある脆くなった血管が高血圧や動脈硬化などを原因に破れて出血し、血液が脳に侵入して脳機能に対して障害を与える病気です。

脳出血自体は突発的に起こるケースが多く死亡率も高い危険な病気です。

症状が進行すれば出血が小脳と脳幹を圧迫し、命を落とします。

橋や延髄などの脳幹出血を除けば、外科的治療によって血腫を取り除き、脳実質への圧迫を取り除けば命を取りとめることができます。

高血圧による脳出血は寒い夜間や早朝時のトイレなどによって起こりやすいといわれています。

「脳出血」の主な症状

大脳半球に出血が起きた場合は、突然吐き気や嘔吐を伴う激しい頭痛を訴え、半身麻痺(半身不随)や言語障害を起こします。ときにはけいれんを伴うこともあります。

目は手足の麻痺が起こっている側と反対側の側を向きます(共同偏視)。

出血量が多かったり、脳幹部での出血では昏睡状態に陥ることもあります。

脳幹部での出血はより重症化することが多く、麻痺は両側に起こります。

瞳孔は針の先のように小さくなり(縮瞳)、深い昏睡に陥り、数時間や数日で死亡することが少なくありません。

小脳に出血した場合は、激しい頭痛と回転性のめまい、吐き気、嘔吐が起こります。

全身のバランスがとれなくなって、よろけて立てず、歩けなくなります。

「脳出血」の主な原因

脳出血とは高血圧や事故などによる外傷、脳動脈の奇形などが原因で脳動脈の破裂により脳実質内に出血する病気です。

出血部位によって(基底核)外側性出血(被核出血)、(基底核)内側性出血(視床出血)、脳葉型出血、橋出血、小脳出血などに分けられ、それぞれに応じて特徴的な症状が見られます。

クモ膜下出血

クモ膜下出血とは、脳の表面にある欠陥が破れて、クモ膜下膣に出血がおこり、髄膜が強く刺激されてしまう病気です。

前触れなくおこり、突然の強烈な頭痛がおこります。

発作は過労やストレスなどが引き金となって起こりやすいといわれています。

再発することも多く再発が続くほどクモ膜下出血の症状は重症になります。

「くも膜下出血」の主な症状

発作時には、突然いままで経験したことがないような激しい頭痛におそわれ、同時に吐き気や嘔吐がおこります。

発作時からある程度時間が経つと、後頭部から首の後ろにかけて硬くなって痛み、首を曲げることができなくなります(頸部硬直)。

意識を失って昏睡状態に陥ることもあります。

「くも膜下出血」の主な原因

クモ膜の下にある脳の外表を走る脳血管が破れて出血するのがクモ膜下出血です。

原因としては脳動脈瘤破裂によるものが最も多く、その他には脳動脈奇形の破断によって発症することがあります(若年者に多い)。

交通事故による外傷性のものもあります。

パーキンソン病

パーキンソン病とは、50代後半に最も多い原因不明の運動障害のことを指します。

パーキンソン病の脳では、大脳基底核というところのドーパミンと呼ばれる物質の量が減少していることがわかっています。

脳幹、大脳基底核を中心として大脳皮質までを含めた範囲で病的な変化が及び、症状が進行すると日常生活が困難となります。

「パーキンソン病」の主な症状

  1. 体の動きが遅い。
  2. 顔面の表情も乏しくなります。
  3. 体の一部が細かくふるえます。特に、手・腕(上肢)に目立つことがあります。
  4. バランスの悪さが目立ち、歩行も不安定な状態が見られます。

「パーキンソン病」の主な原因

パーキンソニズムとは上記の症状を呈する疾患全てにあてはまります。

パーキンソン病をはじめとして進行性核上性麻痺、多系統萎縮、薬剤性、脳炎後の後遺症、などがこれらにあてはまります。

てんかん

てんかんとは、脳の細胞に異常な興奮が発生し、突然意識をなくしてしまったり、体が痙攣したり、舌をかんでしまったり、失禁してしまったりといったてんかん特有の発作を起す病気です。

一般に乳幼児期にてんかんが発症するケースが多く、成人になると少なくなります。

てんかんには原因不明の真性てんかんと、他の疾患(腫瘍や外傷、血管障害など)が原因となる症候性てんかんがあります。

発作には全身がけいれんする激しいもの(大発作)から、一瞬気を失うだけの軽いものまでさまざまです。

最近では、抗てんかん剤を服用することによって発作を予防することができるようになりました。

『てんかん』の主な症状

全身がけいれんする激しいもの(大発作)から、一瞬気を失うだけの軽いものまでさまざま

『てんかん』の主な原因

  1. 原因不明の真性てんかん
  2. 他の疾患(腫瘍や外傷、血管障害など)が原因となる症候性てんかん

アルツハイマー型認知症

「認知症」には、人の知能がいったん正常に発達した後に、脳の働きが様々な面で障害されて知能が低下する病気のことです。

認知症は原因や症状の違いでアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の2つに分かれます。

アルツハイマー病は治療が早ければ早いほどよい結果になります。

これはアルツハイマー病に限らず、他の認知症でも同じです。

アルツハイマー病はお年寄りに多く起こる病気です。

そのため、ご家族に思い当たることがあっても、それが歳のせいなのか病気の始まりなのか、はっきりわからないことがほとんどです。

たとえば、「もの忘れ」は、アルツハイマー病の初期にみられる代表的な症状ですが、健康な人でも歳をとればもの忘れが多くなります。

本当はアルツハイマー病であったとしても、ご家族はたいてい「歳のせい」と考えがちです。

そのため受診する機会を逃してしまい、おかしいと気づいたときは、かなり時間が経ってしまっています。

アルツハイマー病は、早期発見、早期治療が有効とされます。

そのためにも、初期段階で見逃さないことが大切です。

健康と病気についてはこちらにまとめています。

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